「区議」の本来の仕事とは何か?
それは単に区民の声を聞くことでも、区民の声を区政や議会に届けることでもありません。
なぜなら、そうしたことは区民自身が「区民の声」を通じていくらでも届けられるからです。(※それ以外にも方法はあります)
もちろん、区民の中の「声なき声」を聞く努力、弱い立場を強いられ、声を上げられない(声にすら出来ない)区民の声の代弁者となることは大切ですが、それは「区議」でなくてもできること--。
「区議」には「区議」本来の仕事があり、それを認識せず疎かにしていては「二元代表制」としての民主主義は健全に機能しません。
第一に、区民の声、声なき声を背負って、しっかりと執行機関のチェック機能を果たすことです。
それには、「区議」自らの心の内に、正しいことが正しく行われているかどうかの「判断力」と、正しく行われていない場合に、そうであることに対する「義憤」のようなものがなければなりません。
笑顔で「チェック機能」を果たせるほど、執行機関の監視は楽なものでも容易なものでもありません。
「批判精神」も必要です。建設的な「批判精神」を持って微に入り細に入り執行機関をチェックしなくてはならないのです。
残念なことに、「義憤」のようなものや「批判精神」は、教えられて身に付くものではありません。
第二に、「区議」には政策立案能力(政策形成能力)と実行力(実現力)が求められます。
単に区民の声を聞くだけ、届けるだけでは、「区議」の仕事を果たしたことにはならないのです。
そして、こうした「区議」本来の仕事をするためには「粘り強さ」や「忍耐強さ」が欠かせないことは言うまでもありません。
ひとつのことに打ち込めない性格、極められない性格では、表面的に「区議」もどきの振る舞いはできても、「区議」本来の仕事など全く期待できないと言っていいでしょう。
飽きっぽい性格では、たとえ偶然が重なって「区議」になれたとしても、「区議」として満足な仕事は成し得ないと断言します。
政治家を志す人が、マックス・ヴェーバーの「職業としての政治」を読んだことがないなんてことは考えたくもありませんが、「政治とは、情熱と判断力の2つを駆使しながら、堅い岩に力を込めてわずかずつ穴を刳り貫いていく作業である」からです。
今の文京区政、区議会は、区長の”長期政権”によって多くの機能が”弛緩”しており、「区議」(全員ではありませんが…)の政策形成能力と実現力の欠如も相俟って、区民のための区政運営が損なわれてしまっているのではないかと、私は疑問を感じています。
有権者は立候補者に対して、「区議」本来の仕事ができる人であるかどうか厳しくチェックして投票しなければなりません。
自らの声を単に託すのではなく、自らの声を政策として実現してくれる候補が誰なのかを見極めて投票することが、文京区の未来を切り拓いていくのです。
わたしは藤原美佐子区議の”背中”を見てそう感じましたし(もしかするとわたしの想像が勝手に膨らんだだけかもしれませんが…)高次脳機能障害を患ってなお、わたしの応援に尽力されている藤原区議の姿を見てそう思いました。
※この文章は、区議会議員選挙に立候補しました、やわたじゅり氏の許諾を得て転載しています。
コラム「まちづくりの『志』と『理念』を継ぐ~藤原美佐子さんのまちづくりにかける『志』や『理念』をいかに継ぐべきかを考えます~」
https://juri-yawata.jimdofree.com/%E3%81%BE%E3%81%A1%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%81%AE-%E5%BF%97-%E3%81%A8-%E7%90%86%E5%BF%B5-%E3%82%92%E7%B6%99%E3%81%90
(2019年4月20日)
「軍隊の指揮者は現場からのリポートに依存することなく、自分で現場へ出かけて行き、自分の目でみる」 (ピーター・ドラッカー)
「『現場は宝の山である』と言われますが、現場には問題を解くための鍵となる生の情報が隠されています。絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、生産性や品質の向上、新規受注などにつながる思わぬヒントを見つけ出すことができるのです」(稲盛和夫)
「私が本社にいたって、何の付加価値にもなりません。現場・現物主義なので、自分の目で見たもの、触ったもの以外は信じられないんです」(小泉光臣)
「現場主義」の大切さを説く経営者の名言は数多くあります。
しかし、これは経営者にとってだけの〝要諦〟ではありません。
自治体の長においても同じことが言えるのではないかと、私たち区民は思っています。
特に、まちづくりにおける「解決の糸口」は現場にあるのであって、地元区民と胸襟を開き、膝を交えて話すことで、見えて来ないものも見えてくるはずです。
まちづくりに関しても、区長が「現場主義」に徹する姿勢を見せてこそ、その背中を見ている区職員にも「現場主義」が根付くのではないでしょうか。
「現場主義」に徹してこそ、地元区民が肌で感じている苦悩や痛みに近付けると思っています。
まちづくりの現場、まちづくりの〝最前線〟でお会いし、お話できることを楽しみにしております。
(2018年8月25日)
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