2018825日(Ver.1.2b

 

「文の京」千石憲章(千石4丁目南地区)(素)

 

~真の「協働・協治」によるまちづくりを目指して~

 

 

 

一、「千石憲章」の策定趣旨(前文)

 

私たちのまち千石は、西丸町、大原町、林町、氷川下町、丸山町などを合併して誕生し、小石川植物園の近くを流れる千川(地下に設けられていて外からは見えない暗渠となっています)の「千」の漢字と中山道の「せん」の読み方、それに小石川の「石」を組み合わせて、その地名としたとされています。閑静な住宅地はみどりも多く、千石四丁目には保護木の大イチョウがあるほか、千石一丁目には一橋徳川家より寄付された自然豊かな樹林地「千石緑地」があり、ムクノキは樹齢100年以上と推定され、区内でも有数の巨木となっています。

 

「文京区都市マスタープラン」において、「千石」は「山の手地域東部」に含まれ、「良好な住環境の保全と形成」が必要とされています。なかでも「千石二丁目」には「閑静な低層住宅市街地が広がり、今後もこの良好な住環境を保全することが必要」とされ、「千石一・四丁目」は「周辺には木造住宅が密集している地区があり、住環境や防災面で改善が必要」とされています。「千石」の「地区のまちづくり」としては、「千石一・三・四丁目は住宅中心の市街地が広がる環境を生かした、良好な低中層の住宅市街地を形成」、「千石二丁目は小石川植物園に隣接する環境を生かした、閑静な低層住宅市街地として住環境を保全」、「千石一・四丁目は建築物の耐震化・不燃化などにより、住環境の改善や住宅の防災性の向上」を図るとしており、地元区民としてもこれらに沿ったまちづくりを進めていく必要があります。

 

しかし、国内外の社会・経済構造の激変、想定を遙かに超える自然災害の発生、従来想定し得なかった感染症や伝染病などに伴って、「千石」のまちの住環境は多くの潜在リスクにさらされつつあります。全国的な少子高齢化を背景とした居住者の高齢化や生活環境の変化などもあり、最近では敷地の細分化、緑の減少、住環境を壊しかねない用途の建物の建設計画などの問題が起こり、「千石」が育んできた、緑多く、閑静で安全・安心なまちの良さが失われかねなくなりつつあります。

 

そこで、私たちは時代の激変に対応しつつ、閑静で安全・安心な住環境を基本とする千石らしさに溢れたまちなみを継承し、「地域の特性を活かしたまち並みの保全・創出や、身近な場所で自然に親しむことのできるまちづくりなどを通じ、だれもが住み続けたい、住みたいと思える快適な環境整った、潤いと魅力にあふれたまちを目指します」(文京区基本構想)という方針のもと、千石に住む区民の「協働・協治」の精神によって育むまちづくりの基本理念を共有するために「千石憲章」を制定することとします。この憲章は私たちの願いを宣言するものであり、法令としての拘束力は持ちませんが、千石の住環境と暮らしを守るため、住民ひとりひとりが進んで遵守すべき規範を示すものです。

 

 

 

 ニ、千石憲章がめざすもの

 

1.閑静で、安心・安全な住環境を継承し、良好で快適な住環境を守ります。

 

2.まちなかの緑を守り育てていきます。

 

3.「住んでみたい」「住んでよかった」「住み続けたい」と思えるまちをめざします。

 

4.防犯・防災・防疫面に強く、回復力・復元力のあるまち(注1)をめざします。

 

5.千石を愛する人々の「協働と協治」の精神によって育んでいきます。

 

 

 

三、千石4丁目南地区での建築や開発に伴って遵守すべき事項

 

この千石憲章は、将来的に千石一丁目から四丁目の全域を対象としますが、当面は先行する千石四丁目南地区として、千石四丁目三、四、三十五、三十六番地の約2haを対象とします。

 

 

 

1、住環境の保全

 

(1)第一種住居地域での住環境を保全するため、旅館業法上の施設(ホテル・旅館・簡易宿所)の建設・運営は差し控えてください。旅館業法上の施設を運営する個人・事業者への家屋・部屋の貸与も差し控えてください。

 

 

 

(2)建築基準法第42条第2項の規定により「建築基準法上の道路」とみなされる道(幅員4m未満)に接しては、旅館業法上の施設(ホテル・旅館・簡易宿所)の建設・運営はしないでください。旅館業法上の施設を運営する個人・事業者への家屋・部屋の貸与もしないでください。

 

 

 

(3)「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整及び開発事業の周知に関する条例」において中高層建築物として標識設置や隣接住民説明が必要な場合、建築主は計画内容を早めに「千石4丁目南地区」協議会に知らせるとともに、周辺住民へ周知を徹底し、理解を得るべく努めてください。

 

 

 

(4)「民泊」を運営する場合、「文京区住宅宿泊事業の運営に関する条例」に基づき届出を行っていても、宿泊させる間、 家主が同居する住宅宿泊事業のみ原則可能とします。「家主不在型」での運営を希望する場合は、「千石4丁目南地区」協議会に知らせるとともに、周辺環境との調和策について事前協議し、同協議会の承諾を得た場合のみ可能とします。

 

 

 

(5)不特定多数が短期間居住する短期滞在型施設、シェアハウスなどの建設は、近隣住民とのトラブルを発生しがちであるほか、防犯・防災・防疫面でのリスクを高める要因になりかねませんので、差し控えてください。

 

 

 

2、生け垣や樹木などの敷地内の緑の保全

 

(1) 千石のまちの景観の魅力を高めるため、生け垣や樹木のある緑に包まれた庭づくりを進めてください。また、保存樹木をはじめ既存の敷地内の樹木はできるだけ保全してください。

 

 

 

3、建築物の隣地境界線からの後退

 

(1) 防災・防犯・防疫上の配慮及びプライバシーを確保したゆとりある住環境を守るため、住宅地における建築物は出窓やドライエリア及び地下構造物を含めて、隣地との敷地境界線から1m以上、最低でも50cm以上後退するよう努めてください。

 

 

 

(2)隣地境界部分の垣根や塀は、近隣関係に配慮したものにするとともに、冷暖房用屋外機や給湯用ボイラーなどの設置にあたっては近隣の住環境に十分に配慮してください。

 

 

 

4、街並み景観や美観への配慮

 

(1)建築物や看板等の工作物は、特別な必要性がある場合を除き、千石の落ち着いた街並み景観や美観に十分に配慮ください。また道路(私道を除きます)に接する住宅においては、街並みと著しく不調和な色彩の使用は差し控えてください。

 

 

 

(2)ブロック塀を設置する場合は、安全性を高める観点から、国及び自治体の基準より厳しい安全基準で設置してください。

 

 

 

5、駐車場の周辺整備への配慮

 

(1)コインパーキング等営業用駐車場を設置する場合は、整備に着手する前に「千石4丁目南地区」協議会に知らせ、周辺環境との調和策について事前協議してください。

 

 

 

四、千石憲章の運用にあたって

 

1.改正手続きと地区計画などの適用検討

 

「千石憲章」は、千石界隈の住環境と暮らしを守るための緩やかなルールを定めたものであり、今後、必要な事項について「千石4丁目南地区」協議会総会での議を経て改正が出来るものとします。また、建築物についての制限を法律的に担保するために、必要に応じて建築協定や地区計画の適用を推進していきます。

 

 

 

2.建て主や事業者への要請

 

「千石憲章」については、千石界隈の関係権利者の理解と協力を求めていくために、広く普及啓発をはかります。また、千石憲章の内容に著しく抵触する建築物、工作物、駐車場などについては、文京区に協力を要請しつつ、建て主や事業者に対して改善措置を求めていきます。なお、不動産を処分される方は、新しい所有者に「千石憲章」に配慮するよう要請していただくことをお願いします。

 

 

 

注1)平成272015)年の国連サミットで採択されたSDGsSustainable Development Goals=持続可能な開発目標)」においては17の目標が掲げられ、その11番目に「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」が盛り込まれており、その理念を地域のまちづくりの目標として反映しました。